いわて駐在研究日誌

OpenCAE、電子工作、R/C等、徒然なるままに

LHS

LHSとかRHSとか、流体とか数学やってる人は、数式の左辺(left hand side)の意味というのは分かってるが、最適化の勉強を始めるとLHSが結構出てくるので何ぞや?ってなことになったので調べてみた。

 

LHS: Latin HyperCube Sampring=ラテン超方格の訳だそうで、多次元設計データの中からのデータサンプリングの手法の一つらしい。

例えば設計変数が2つあるいは3つあるとすると、設計空間は2次元あるいは3次元ということになる。この中で個々の設計変数の範囲から、データサンプリングして目的関数を評価してみるとする。(設計変数というよりも実験変数としたほうがわかりやすいか。実験計画=”Design of Expreriments”)

 

データサンプリングの方法として、直感的に分かりやすいのは、

・規則的に設計変数範囲を分割してサンプル点を設定(直交化法:orthogonal method)

・不規則に設計変数範囲からサンプル点を設定(ランダム法=モンテカルロ法

だろう。

このサンプル点の設計変数を用いて、形状やコストなどの目的関数(複数あり)を制約条件のもとで評価し、是非を判断する。

問題は、設計変数の数が増えると急激にサンプルの数も増えること。また、局所最適解ではなく、グローバル(設計空間全体という意味で)最適解を見つけるのが望ましいが、それだときわめて多数回のサンプリング→評価を実施しなければならないということがある。

 

以上のことから、実験計画のサンプリングの実用性を考え、

・実験回数を指定できる

・個々の設計変数で、必ず1回は実験(評価)が実施されるような変数の組を生成させる

ということで、これに対応できるように2次元のラテン方格をn次元に拡張した物=ラテン超方格が実験計画に用いられるようになったらしい。ラテン超方格の選択可能な最大の設計変数組み合わせ数は、線形変数の種類をN,個々の設計変数の分割数をMとすると、(M!)^(N-1)個になる。

 

参考:

Latin hypercube sampling - Wikipedia, the free encyclopedia