前から気になっていたOpenCVをいじってみようということで、とりあえずWebカメラのついている家PC(Win10Pro x86_64)に環境構築をトライしてみる。OpenCV3.1.0が年末に公開され、VS2015にも対応したとのことなので、C++の勉強もかねてVS2015 C++での開発を考えよう。
1.VS2015のダウンロード・インストール
MSから無償公開されているVS2015 Community版をダウンロード・インストール(vs
_community_JPN.exeを落としてきてダブルクリックし、ネットインストールすることになる。カスタムでインストールすると26GBくらい必要と表示された)。なお、インストール時に標準ではC#しか選択されないようなので、カスタムインストールでC++も選択しておく。2016/1現在で、VS2015 Update1が導入される。導入後はPCを再起動しておく。
2.OpenCV 3.1.0のダウンロード・インストール
ここからWindows用のOpenCV for Windows (opencv-3.1.0.exe)をダウンロードする。Githubから落としてくると早いかも。SFはミラーサイトにいきわたっていない?
http://opencv.org/downloads.html
自己解凍ファイル(exe)形式になっているので、ダブルクリックすると、opencvフォルダに展開されるので、フォルダごと適当な場所に置いておく。
今回は、バージョンがわかるようにopencv-3.1.0にリネームして、C:\Users\waku\opencv-3.1.0としておいておく。
なお、OpenCV3.0からAll-in-oneのライブラリ(C:\Users\waku\opencv-3.1.0\build\x64\vc14\lib\opencv_world310(d).lib)になったので、個別のlibが欲しい場合(2系列のように)やstaticライブラリが欲しい場合は、cmakeをつかってrebuildする必要があるとのこと。
3.Windows環境変数の設定
VS2015用動的ライブラリが置かれている場所は「C:\Users\Waku\opencv-3.1.0\build\x64\vc14\bin」であるので、これをWindowsのシステム環境変数PATHに追記する。環境変数は、システムのプロパティから設定できる。
4.VS2015での環境設定
VS2015では、プロジェクトがOpenCVを認識できるようにOpenCVの「includeフォルダ」と「libraryフォルダ」を以下のようにして設定する必要がある。
- まず、ファイル>新規作成>プロジェクトをクリックして、Win32コンソールアプリケーションの新しいプロジェクト(ここではプロジェクト名をOpenCV_Testとし、場所はc:\users\waku\documents\visual studio 2015\Projects)を作成する。
- 次に、ビルド>構成マネージャーをクリックして、アクティブソリューションプラットフォームを「x86」から「x64」に変更する。debug/releaseはdebugのままとする。
- ソリューション名”OpenCV_test”を右クリック>プロパティ>構成プロパティ>C/C++>全般を選択し、右側に出てくる設定画面に「追加のインクルードディレクトリ」が一番上にあるので、C:\Users\waku\opencv-3.1.0\build\includeを設定する(その下のopencv/opencv2までは不要)。
- 同様にソリューション名”OpenCV_test”を右クリック>プロパティ>構成プロパティ>リンカ―>全般を選択し、右側の設定画面の中ほどにある追加のライブラリディレクトリにC:\Users\waku\opencv-3.1.0\build\x64\vc14\libを設定する。
- 同様にソリューション名”OpenCV_test”を右クリック>プロパティ>構成プロパティ>リンカ―>入力を選択し、一番側の設定画面の中ほどにある追 加のライブラリディレクトリにopencv_world310(d).libを追記する。
-
http://chichimotsu.hateblo.jp/entry/2014/11/28/212432を参考に、opencv_libs.hppを作成し、上記のincludeフォルダに入れておく。
5.テストCoding
http://www.arubeh.com/archives/1102
にあったサンプルコードを以下のようにしてみた。
なお、各プロジェクトのプロパティから、構成プロパティ>C/C++>コード生成>「ランタイムライブラリ」をdebug/releaseに応じて変更する必要があるそうな。
Static Link
- debugモードの場合:「マルチスレッドdebug(/MTd)」
- releaseモードの場合:「マルチスレッド(/MT)」
- debugモードの場合:「マルチスレッドdebugDLL(/MTd)」
- releaseモードの場合:「マルチスレッドDLL(/MT)」
#include "stdafx.h"
// Dynamic Linkの場合
#include <opencv2/opencv.hpp> // インクルードファイル指定
//#include <opencv_libs.hpp> // 静的リンクライブラリの指定 (不要)
// Static Linkの場合
//#include <opencv2/opencv.hpp>
//#define _OPENCV_BUILD_STATIC_
//#include "opencv_libs.hpp"
using namespace cv; // 名前空間の指定
int main()
{
//width220, height150の画像を作成
Mat src = Mat::zeros(150, 220, CV_8UC3);
//赤色で画像にHello Worldを描く
putText(src, "Hello World", Point(5, 50), FONT_HERSHEY_SIMPLEX, 1, Scalar(0, 0, 200), 2, CV_AA);
//緑色で画像に線を描く
line(src, Point(190, 25), Point(190, 45), Scalar(0, 200, 0), 3);
//要素を直接操作し画像に点を描く
for (int x = 188; x < 192; x++) {
for (int y = 53; y < 57; y++) { // y座標
for (int i = 0; i < 2; i++) { // i < 3にするとBGRすべての要素を200にする
src.at<uchar>(Point(x * 3 + i, y)) = saturate_cast<uchar>(200);
}
}
}
//画像を表示
imshow("", src);
//ウインドウの表示時間(0はキーが押されるまで閉じない)
waitKey(0);
return 0;
}
LINK : fatal error LNK1104: ファイル 'opencv_ts310d.lib' を開くことができません。となりエラーになる?
(以上、STOPです。Cmakeでビルドしなおせということか?)
(01/10追記)
いろいろ調べたところ、OpenCV3.1.0には個別のライブラリではなく、全部入りのopencv_world310(d).libだけがついてくるそうで、リンカの入力にこのライブラリを指定すればOK。また、
#include <opencv_libs.hpp>
のようなstatic libraryの指定も不要らしい..というか、そもそもstatic libraryがついてこないので、camekを使って自前でbuildしなければいけないらしい。